所蔵の文化財

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国分寺所蔵の国の重要文化財

木造釈迦如来坐像

重要文化財 彫刻1躯
鎌倉時代 大正元.09.03:指定 大正3・4年:保存修理
 像高 103.1cm、頭上に八方宝冠(後補)をいただき、高髻、衲衣をつけ、定印を結び台座上に坐る。光背は二重円相の周縁に雲焔を透し彫する。台座は上方から蓮華(蓮弁五段・魚鱗葺)、上敷茄子、華盤、下敷茄子、受座、反花及び八方三段の框座。
 本体は桧材、寄木造、玉眼を入れる。肩さがりに大ぶりの衣褶をたたむ衲衣のかたちは中国宋代以降の仏像によくみるもので、本像も宋朝様の仏像の一例といえようが、像容が小締りに固くみえ、この法量とはみえぬまとまりのよいあたりは、時代が鎌倉最末期から南北朝に降るころの特色を示すものといえよう。

木造釈迦如来坐像

重要文化財 彫刻1躯
鎌倉時代 大正元.09.03:指定 大正3・4年:保存修理
 像高 60.7cm、宝冠をいただき、高髻・髪筋を細かく刻み、垂髪を両肩に垂れ、衲衣をつけ定印を結んで趺座する。本体は桧材、寄木造、玉眼を入れ、形成は本寺の他の釈迦坐像に似る。
頭上の宝冠は、天冠台を波形につくり、それと上縁の間に唐草を透彫りにし、正面中央には光背形を配したみごとな意匠を示すもので、南北朝頃の金工の特色を示す。
 像は髻・地髪とも細かく毛筋を刻み、その厚目で装飾的な彫り口は鎌倉末から南北朝にかけての典型を示すもので、相好は特色のある童顔をつくり、球面に似た上瞼の形や丸く引締った両頬、小さめの唇のすべては女性的な表情をたたえ、宋朝風の仏画にみる相好を偲ばせる。衲衣の腹前に裳の一部と結び目を表すのも宋風の仏像にままみうけられる。

木造伝覚山和尚坐像

重要文化財 彫刻1躯
鎌倉時代 大元.09.03:指定 大正3・4年:保存修理
 像高84cm、老相、衲衣の上に南山衣型の七条袈裟をかけ、右手は掌を伏せて払子の柄を握り、左手は掌を仰いで払子の毛先をとり、裳先、両袖を台下に垂下し曲ろ上に座坐る。像は桧材、寄木造、玉眼を嵌入する、典型的な禅家頂相彫刻の作例で、顱頂が高く肉どりのがっしりとした禅僧老相のさまをみごとに表現し、まなじりの下った両眼は上下の瞼に巧みな抑揚をつけ、への字に固く結んだ唇と相まって、像主の意志のつよい高徳の風格がうかがわれる。前面の袈裟の垂下部に刻む大ぶりの衣褶といい、裳先の簡明な衣文の構成は鎌倉時代の本堂をゆく肖像彫刻の闊達さを失なわず、全国に遺例の少ない頂相彫刻の中でも出色の一例である。

木造伝熱田大宮司夫婦坐像

重要文化財 彫刻2躯
鎌倉時代 大元.09.03:指定 大正3・4年:保存修理
 像高男子像60.7cm、女子像60.9cm、男子像は円頂、衲衣の上に五条袈裟をかけ、定印を結び、膝前に直綴の縮衣の裾を表し、畳座に坐る。婦人像は髪を振分け、垂髪を両肩に垂れ、衣の上に袈裟をかけ、裳をつけ合掌して坐る。桧材を用いた寄木造で玉眼嵌入、男子像は口もとにかすかに笑みをたたえるかに眺められ、特にそのまなざしは活趣があふれていて、いかにも温雅な人がらを偲ばせる。婦人像の目鼻だちは、眼光もするどく、唇を引き締めた表情にはなかなかするどいものがあり、婦人の肖像の作例がまれなうえに優れた出来である。